柔道整復師のための基礎医学
柔整師も知らなくてはいけない医学の基礎です。(治療家のための業界誌「からだサイエンス」2005年~2006年の連載から)
柔道整復師のための解剖学シリーズ 顎関節4
顎関節シリーズの最後に「いわゆる顎関節症」の中で、円板が前内方転位しているために開口音(click)や開口痛、あるいは開口制限を生じている例に対し、効果的な顎の体操療法を紹介します。
柔道整復師のための解剖学シリーズ 顎関節3
我々柔道整復師は、顎関節脱臼に対して経験的に筋の緊張を除けば簡単に整復できることを知っていました。しかし、脱臼の解剖学的解明は一切なされないまま、口外整復法か口内整復方(指法・母法)など、いわゆる船底式整復法が行われてきました。その操作は、まったく偶然に、Open Lock の際、後方に残こされてしまった関節円板が前方に移動できる環境を与えていたのです。
柔道整復師のための解剖学シリーズ 顎関節1
いよいよ顎関節脱臼のことについて触れてゆくことにしましょう。関節包が一部明確でない1)、外側靭帯など靭帯構造が明確でない…などの解剖学的特徴をもつヒトの顎関節が脱臼するとなると、いわゆる関節頭が生理的範囲を越えて、関節窩を逸脱して、靭帯が断裂して…などの脱臼の定義をどこに当てはめられるでしょうか。
柔道整復師のための解剖学シリーズ 手関節3
手関節における体表解剖上の8つの小さな手根骨は、腫脹などがない限り、すべてを触診可能です。しかし、臨床で役立つ触診となるとなかなか難しいと思っています。
手根骨の機能解剖は多くの専門書で示されています。それらの本で示すいくつかのランドマークは手関節の背側から示されているものが多いです。掌側からの記載は少なく、例えば明らかなランドマークとして豆状骨の位置が示される程度です
柔道整復師のための解剖学シリーズ 手関節2
手関節の障害は、日常のさまざまな活動に支障を与えます。その動きは複雑で巧妙です。この関節は橈骨、尺骨の前腕骨に、8つの小さな手根骨で形成されています。手関節の動きを理解するとき、近位手根列、遠位手根列に分けて捉えることができます。これら8つの骨を体表から、明確に触診できるスキルが、手関節の障害や外傷の診断にとても大切になります
柔道整復師のための解剖学シリーズ 手関節1
たかが捻挫、されど捻挫・・・という先輩の教えを思い出す関節が手関節です。
臨床では、転倒して手を突いた・・・、物を持って手首を捻ったなど、さまざまな原因で手関節の腫脹や疼痛を訴えます。そのような患者さんの中で、X-p 検査ではなにもないと言われたにも関わらず痛みが持続しているので心配して来院されるケースも稀ではないと思います。その時、重要なのが正確で客観的な徒手検査法です。
柔道整復師のための解剖学シリーズ 肩関節脱臼2
肩関節前方脱臼時に生じる損傷は、前方関節包損傷、前方関節唇損傷、前方関節窩骨傷、大結節後外側骨傷など幾つか知られています。注意しなければならない損傷が a の関節包の損傷と b の関節唇の損傷です。