Kojimachi Dr.Shiraishi Japanese Osteopathy -since 2009-

 

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2022年(令和4年度) 麹町WEBセミナー 11/27(日)開催 の案内

2022年(令和4年度) 麹町WEBセミナー 11/27(日)開催 の案内

 本年度の 麹町WEBセミナーを 11月27日に開催することになりましたのでご案内申し上げます。

 私達は日常診療において、運動器の痛みを訴える方々を診ています。ほとんどの方がどこかに運動器の痛みをかかえて生活を営んでいるといっても過言ではありません。国際疼痛学会(IASP)の定義(2020)では,疼痛とは “Pain: An unpleasant sensory and emotional experience associated with, or resembling that associated with, actual or potential tissue damage.” (痛みは、実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する、あるいはそれに似た感覚かつ情動の不快な体験)とあります。“痛み”は主観的な感覚・感情であり、患者が痛いと言うなら痛みが存在すると考えられているのです。ここ数十年の痛みの分子生物学的研究から、発痛の分子メカニズムについての理解が飛躍的に進みましたが、未だ充分に解明されているとはいえません。痛みに限らず、病気の治療は各々の病態の正確な理解から始まります。今後の基礎医学研究、臨床医学研究に期待するところです。

 今回、本セミナーでは、午前に、これまでの常識を覆すような発想による発痛メカニズムを解明し、鎮痛や除痛に関する新しい治療法を開発なさいました 医療法人社団祐優会 Okuno Clinic. 総院長の奥野先生を講師としてお招きしました。「モヤモヤ血管」・・・はお聞きになった先生も多いと思います。是非、聴講なさり、最新の疼痛治療法に触れて頂きたいと思います。

 午後からは、麹町白石接骨院院長の白石が、近年の椎間板由来の急性疼痛に対する研究報告を元に、実際の臨床例を示しつつ、機能組織学的解釈を紹介し、発症初期の患部の強固な固定の基礎医学的有用性を紹介します。

 オーガナイザーを、安井正佐也先生(JT, Ph.D 常葉大学 浜松キャンパス 健康プロデュース学部 健康柔道整復学科)にお願いしました。現在も名古屋大学医学系研究科で、慢性疼痛に関する研究を精力的に行っておいでです。柔整臨床家でもある安井先生の立場で、今回のWEBセミナーを充実したものにしていただけると思います。

皆さまの受講をお待ちしております。

白石洋介

 

進 行 予 定

開催日時 2022年11月27日(日) 10時~14時

10:00~12:00 奥野 祐次 先生 (MD. Ph.D.)

演題 慢性疼痛における血管の役割と、異常血管を標的にした治療法の紹介

12:15~13:45 白石 洋介 (JT, Ph.D.)

演題 脊椎椎間板由来の痛みに対するMRI画像の機能組織解剖学的理解と臨床

13:45~14:00 質疑応答(チャット質問)

 

使用WEB会議システム:   Zoom

 

主 催: (株)Schroth Best Practice Japan

共 催:  麴町白石接骨院

102-0083東京都千代田区麹町4-8-27-2F 03-6268-9453

 

◆受講料 7700 円(税込) 学生(勤務していない方)4400円(税込)

◆参加ご希望の方は下記の申し込みフォームで、お申し込み下さい。

※毎回の入力でご面倒をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。

今回(令和4年11月27日開催)の申込み用フォーム

 https://forms.gle/Jgn9HKWirXjcT26M9  

 

◆お申し込みから1週間以内に下記口座宛に受講料のお振込みをお願いします。

入金が確認できましたら、次の手続きについて、折り返し電子メールでご連絡します。

(お振込み後 7日 経っても返信がない場合はお手数ですが電話にてご連絡下さい。)

みずほ銀行 麴町支店 普通 1417943

株式会社Schroth Best Practice Japan

 

◆先着順に受け付け、定員をオーバーした場合はキャンセル待ちとさせて頂きます。

申し込み締め切り日 11月22日

◇受講者には、Webinar 開催日の数日前に Webinar 参加用の招待 URL, ID, PWDを電子メールで配布します。

キャンセルなさる場合は 必ず電話でご連絡下さい。(11月22日以降は返金できません。)

 

◇開催日のチャットに 参加できなかった受講者から講師への質問は、Webinar 終了後、電子メールで、kojimachi.semi@gmail.com にお送りください。後日、返信メールで回答させて頂きます。

 

★お問い合わせ

担当 恩田、石原

電話 080-5597-7466

電子メールアドレス kojimachi.semi@gmail.com

 

セミナーの抄録、講師の紹介

                          –      抄  録 -

講演 1)

発表者: 奥野 祐次先生  (医療法人社団祐優会 Okuno Clinic.)

演 題: 慢性疼痛における血管の役割と、異常血管を標的にした治療法の紹介

 

国内の大規模な調査研究によると、肩、膝、腰などをはじめとした運動器の疼痛(6か月以上の痛み)を有する人の割合は、全成人の15%前後であると見積もられており、また医療機関を受診した際の満足度は高くないことが報告されている。

エックス線やMRIなどの画像検査で検出される構造破綻(骨折や変形、腱、靭帯の断裂)は、痛み症状と必ずしも一致しないため、従来の検査やそれに基づいた治療では改善されない痛みを訴える人は多数を占める。一方で最近では、慢性痛患者の脳機能の解析が盛んにおこなわれ、痛みを訴える部位にはもはや器質的な異常は存在せず、脳や脊髄、神経根を含んだ「中枢」に原因があると考える潮流もある。このため、「痛みを記憶しているから痛い」などと説明され、抗てんかん剤、抗うつ剤、オピオイドの処方が増加している。しかし「痛みを訴えている部位には、もはや痛みの原因が存在しない」と言い切るのに十分な根拠は提示されておらず、また中枢をターゲットにした処方によっても十分な満足は得られていない。

最近になって、疼痛部に長期にわたって残存した異常な血管が痛みの原因となっているとの仮説がある。このような異常な血管は、①炎症細胞がそこから漏れ出る②水腫、浮腫、線維化の原因となる③神経線維が伴走する④組織修復の妨げになる、などの理由から病態を悪化させ得る。我々は超音波診断装置やMRI、血管撮影を行ない、多くの疾患において異常な新生血管が疼痛部に増殖していること、およびこれらの血管を減少させる治療によって慢性疼痛が改善されることを報告してきた。

本講演では、我々のこれまでの知見をもとに、慢性疼痛の診断、治療における新たな観点を提示したい。

 

講演 2)

発表者: 白石洋介 (麹町白石接骨院 株 Schroth Best Practice Japan)

演 題: 脊椎椎間板由来の痛みに対するMRI画像の機能組織解剖学的理解と臨床

 

脊椎由来の痛みは、急性であれ慢性であれ人々の生活に与える影響は大きい。特に腰痛において、痛みの原因が特定されないことも少なくなく、ドクターショッピングを続けている患者は少なくない。原因が特定されないということは治療法が定まらないということになり、疼痛をかかえたまま日常生活を送ることになる。急性腰痛においては、突然、鋭い痛みに襲われ、その場から移動することもできなくなることもある。すると、その時点からとたんに日常生活や仕事を制限されることになる。

動作痛が主症状である為、下肢症状(根性神経症)がみられない場合、痛みの原因が筋組織由来であると診断されることも多くなっている。近年、その治療法の一つとして筋膜リリース(治療法)が普及している。この治療で劇的な改善が見られることは多いが、中には改善されないこともあり、筋膜リリース法に対する個々の治療者の技術の差が大きいのかもしれない。

急性腰痛になった時、強い手技治療を行うところに行き、更に悪化してしまう例も多い。一刻も早く痛みから解放されたいという気持ちからの選択であろうが、椎間板に由来する痛みの場合、逆に悪化してしまうことになる。

私は、長年、急性腰痛における 「動作痛(激痛)」 に注目して治療してきた。多くの急性腰痛では、ギクッとして痛みが生じても、動かなければ痛くない。このような痛みの発痛メカニズムを分子の世界で捉えると、いわゆる発痛物質が直接動作痛を生じさせているのではない・・・といえる。日常の施術で、成人の場合、このような痛みの原因が椎間板にあることが多いと感じている。

近年、MRI画像検査の進歩により、画像上で痛みの原因を高い精度で推定できるようになっている。椎間板や椎体の変性についても、その程度を測れるようになってきた。今回、腰痛における椎間板の変性に注目し、当院の症例を元に、各症例の MRI画像を示し、機能組織解剖学的な理解について説明したい。加えて、急性腰痛の初期に患部の強固な固定が有用であることについて、実際の固定法も含めて紹介する。

 

 

講 師 紹 介

氏 名    奥野 祐次 先生 1981 年生まれ

学 歴

平成18 年3 月 慶應義塾大学医学部 卒業

平成18 年4 月 医師免許取得

平成21 年4 月 慶応義塾大学医学部医学研究科博士課程入学

平成24 年3 月 同大学 博士課程修了 研究分野「病的血管新生」

職 歴

平成18 年4 月~平成20 年3 月 川崎市立井田病院 初期臨床研修医

平成20 年4 月~平成21 年3 月 Clinica ET 放射線科医員

平成21 年4 月~平成24 年3 月 慶応義塾大学医学部医学研究科博士課程

平成24 年4 月~平成26 年3 月 社会福祉法人江戸川病院 放射線科・整形外科 医員

平成26 年4 月~平成29 年9 月 社会福祉法人江戸川病院 運動器カテーテルセンター センター長

平成29 年10 月~現在 医療法人社団祐優会Okuno Clinic. 総院長

 

主な論文

  1. Okuno Y, Nakamura-Ishizu A, Kishi K, Suda T, Kubota Y. Bone marrow-derived cells serve as proangiogenic macrophages but not endothelial cells in wound healing. Blood. 2011 May 12;117(19):5264-72
  2. Okuno Y, Nakamura-Ishizu A, Otsu K, Suda T, Kubota Y. Pathological neoangiogenesis depends on oxidative stress regulation by ATM. Nat Med. 2012 Jul 15
  3. Okuno Y, Matsumura N, Oguro S. Transcatheter arterial embolization using imipenem/cilastatin sodium for tendinopathy and enthesopathy refractory to non-surgical management. JVIR. 2013, 24. pp. 787-792
  4. Okuno Y, Oguro S, Iwamoto W, Miyamoto T, Ikegami H, Matsumura N. Short-term results of transcatheter arterial embolization for abnormal neovessels in patients with adhesive capsulitis: a pilot study. J Shoulder Elbow Surg, 2014; 23(9):e199-206.
  5. Okuno Y, Korchi AM, Shinjo T, Kato S. Transcatheter Arterial Embolization as a Treatment for Medial Knee Pain in Patients with Mild to Moderate Osteoarthritis. Cardiovasc Intervent Radiol. 2015;38(2):336-343.
  6. 奥野祐次、慢性的な肩関節の夜間痛に対する経動脈的微小血管塞栓療法の有効性PAIN RESEARCH, 29, 233-241, 2014
  7. Okuno Y, Iwamoto W, Matsumura N, Oguro S, Yasumoto T, Kaneko T, Ikegami H. Clinical outcomes of transcatheter arterial embolization for adhesive capsulitis resistant to conservative treatment. JVIR. 2017;28(2):161-167.e1.
  8. Okuno Y, Korchi AM, Shinjo T, Kato S, Kaneko T. Mid-term Clinical Outcomes and MRI Changes after Transcatheter Arterial Embolization as a Treatment for Mild to Moderate Knee Osteoarthritis that is Resistant to Conservative Treatment. JVIR. 2017 Mar 29.
  9. Iwamoto W, Okuno Y, Matsumura N, Kaneko T, Ikegami H. Transcatheter arterial embolization of abnormal vessels as a treatment for lateral epicondylitis refractory to conservative treatment: a pilot study with a 2-year follow-up J Shoulder Elbow Surg。2017; Aug;26(8):1335-1341
  10. Shibuya M, Yamamoto M, Okuno Y, Effect of Transcatheter Arterial Microembolization on Phantom Limb Pain Persisting for 17 Years. CVIR. 2019; Mar; 42(3):471-474
  11. Tijmen A van Zadelhoff, Yuji Okuno, Pieter K Bos, Sita M A Bierma-Zeinstra, Gabriel P Krestin, AdriaanMoelker, Edwin H G Oei. Association between Baseline Osteoarthritic Features on MR Imaging and Clinical Outcome after Genicular Artery Embolization for Knee Osteoarthritis. Journal of Vascular Interventional. Radiology. 2021 Apr.
  12. Shohei Inui, Shu Yoshizawa, Takanori Shintaku, Takao Kaneko, Hiroyasu Ikegami, Yuji Okuno. Intra-Arterial Infusion of Imipenem/Cilastatin Sodium through a Needle Inserted into the Radial Artery as a NewTreatment for Refractory Trapeziometacarpal Osteoarthritis. Journal of Vascular Interventional Radiology.2021 Jun.
  13. Keishi Fujiwara, Shohei Inui, Masahiko Shibuya, Eiji Sugihara, Koichi Miyazaki, Takayuki Sakugawa, Yuji Okuno. Transcatheter Arterial Embolization Using Imipenem/Cilastatin Sodium for Chronic Low Back Pain Resistant to Conservative Treatment: A Pilot Study with 2-Year Follow-Up. CardioVascular Interventional. Radiology 2021 Oct.

 

 

氏 名    白石洋介 1954 年生まれ

学 歴

昭和53年3月 中部柔整専門学校卒 柔道整復師免許証 

平成3年11月 柔道整復師専科教員修了

平成15年4月 名古屋大学大学院医学系研究科 医学博士 

職 歴

平成23年8月 帝京平成大学ヒューマンケア学部 柔道整復学科 教授

平成24年4月 帝京平成大学大学院 健康科学研究科 柔道整復学専攻 教授

平成20年7月 麹町白石接骨院院長

 

主な論文

  1. Innervation and functional characteristics of connective tissues, especially elastic fibers, in human fetal thoracic intervertebral articular capsule and its surroundings.共著Anatomy and Embryorogy Volume 206, Issue 6, pp 437-445 (医学博士 主論文) 2003
  2. A new retinacular ligament and vein of the human temporomandibular joint共著Clinical Anatomy. Vol.8, No.3, p208-213 (医学博士 副論文) 1995
  3. ヒト顎関節における関節円板後方部の支靭帯及び静脈の存在 共著 解剖学会雑誌Acta Anatomica Nipponica. Vol. 69, No. 1, p 80, 1995
  4. ヒト固定遺体における慢性両側性顎関節脱臼と関節円板の解剖学的及び組織学的観察 共著 柔道整復・接骨医学誌Vol. 7, No. 2, p79-85, 1998
  5. 小児の上腕骨顆上骨折 単著1984年 中部接骨学会誌 Vol.1, No.43, 44, p21-26
  6. Structural and functional change of blood vessel labyrinth maturing placenta of mice.共著Trophoblast Research 9, p155-164, 1997
  7. 解剖教育用固定遺体1体で観察された慢性両側性顎関節脱臼 共著 中部接骨学会誌Vol.1, No.71, 72, p94-98, 1998
  8. Central projection of unmyelinated (C) primary afferent fibers from gastrocnemius muscle in the guinea pig.共著J Comp Neurol. Volume 461, Issue 2, P140-150, 2003
  9. 血管内皮増殖因子VEGF. 共著 柔道整復・接骨医学会誌 Vol. 16, No. 3 2008
  10. 末梢神経損傷における軸索再生と神経成長因子NGF. 共著  柔道整復・接骨医学会誌Vol. 17, No. 4, 2009
  11. 思春期特発性脊柱側弯症(AIS) と運動療法 共著 保健医療研究 第5号, 2013
  12. 思春期特発性脊柱側弯症に対するSEAS 法を取り入れた運動療法及び夜間装具療法の効果 日本保健医療学会 全国学術大会, 2013
  13. In-Brace correction in new Cheneau Style CAD/CAM brace for adolescent idiopathic scoliosis (AIS). 共著ポスター発表 13th SOSORT (Society for Scoliosis Orthopaedic and Rehabilitation Treatment), 2018