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「真実を見つめる」2005年9月
腱や靭帯を合成している線維形成細胞も、様々なタイプの integrin を解して、自らが合成した細胞外基質と結合している。この結合様式に異常が生じると細胞は正常な挙動から外れることになる。正常な営みをしなくなる点ではがん細胞と同じともいえる。
このような作用をもつ integrin は、われわれ柔道整復師の仕事に深い関係を持っている分子である。
柔道整復師のための解剖学シリーズ 手関節3
手関節における体表解剖上の8つの小さな手根骨は、腫脹などがない限り、すべてを触診可能です。しかし、臨床で役立つ触診となるとなかなか難しいと思っています。
手根骨の機能解剖は多くの専門書で示されています。それらの本で示すいくつかのランドマークは手関節の背側から示されているものが多いです。掌側からの記載は少なく、例えば明らかなランドマークとして豆状骨の位置が示される程度です
「真実を見つめる」2005年7月
インテグリン Integrin は, 細胞表面にある接着分子のひとつで、細胞外のさまざまなリガンド Ligands と結合することができる。このインテグリンと呼ばれる細胞膜貫通型分子は、当初、フィブロネクチン Fibronectin のレセプター Receptor として同定されたが、その後、他の多くの細胞外基質分子(コラーゲン Collagen やラミニン Laminin など)とも結合を示すことがわかり、1つのインテグリンスーパーファミリー Integrin super family という捉え方がなされている
柔道整復師のための解剖学シリーズ 手関節2
手関節の障害は、日常のさまざまな活動に支障を与えます。その動きは複雑で巧妙です。この関節は橈骨、尺骨の前腕骨に、8つの小さな手根骨で形成されています。手関節の動きを理解するとき、近位手根列、遠位手根列に分けて捉えることができます。これら8つの骨を体表から、明確に触診できるスキルが、手関節の障害や外傷の診断にとても大切になります
柔道整復師のための解剖学シリーズ 手関節1
たかが捻挫、されど捻挫・・・という先輩の教えを思い出す関節が手関節です。
臨床では、転倒して手を突いた・・・、物を持って手首を捻ったなど、さまざまな原因で手関節の腫脹や疼痛を訴えます。そのような患者さんの中で、X-p 検査ではなにもないと言われたにも関わらず痛みが持続しているので心配して来院されるケースも稀ではないと思います。その時、重要なのが正確で客観的な徒手検査法です。
「真実を見つめる」2005年6月
肩関節の棘上筋腱断裂はいわゆる腱板 rotator cuff を構成する腱の損傷である。その治療には臨床的にも解剖学的にも深い知識と経験が要求される。損傷した腱の断端では、この myofibroblastが良いことにも悪いことにも働く。
柔道整復師のための解剖学シリーズ 肩関節脱臼2
肩関節前方脱臼時に生じる損傷は、前方関節包損傷、前方関節唇損傷、前方関節窩骨傷、大結節後外側骨傷など幾つか知られています。注意しなければならない損傷が a の関節包の損傷と b の関節唇の損傷です。
「真実を見つめる」2005年5月
創傷治癒においては、その傷が治癒するまでを大きくIII期に分けている。それら I, 炎症期、II, 肉芽形成期および再上皮化期、III, 再構築期またはマトリックス形成期において、いわゆる細胞増殖因子 cell growth factor が、それぞれの期でさまざまな因子が働いている
「真実を見つめる」2005年4月
このシリーズで、柔道整復の業務に関係が深い結合組織の治癒では、サイトカインと呼ばれる細胞が合成分泌する物質(分子)の仕組み(サイトカインネットワーク)を知ることが重要であることを述べた。神経の損傷と修復のメカニズムを理解する上でもサイトカインの働きを知ることが重要になる