「真実を見つめる」2005年1月
これまで、生命現象の目に見えないところに、ミクロの世界である原子や分子の営みがあることなど、結合組織を中心にしてすすめてきた。柔道整復師は骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷、筋腱など軟部組織の損傷を扱う。発生学的には間葉系細胞が作り出す組織を相手にしていると言い換えることができる。
最近まで、骨や靱帯の損傷修復は、主に線維芽細胞など線維形成細胞系だけで営むと考えられてきた。しかし、近年、結合組織の損傷修復に神経細胞が大変深く関与することがわかってきている。このようなことは分子生物学の進歩と共に解明されてきたことである。我々柔道整復師は結合組織損傷の修復を支援すると共に同時に損傷に伴う痛みの緩和を図っている。痛みについて、神経特有のサイトカインネットワークがある (Fig. 1)。個々に感受性がちがうことなどについても分子生物学的に解明されつつあり、痛みの定量化がなされる時代になった 1)。・・・・・以後割愛
参考文献: 杉浦康夫、白石洋介:【腰痛と薬物療法】腰痛のメカニズム、薬局, Vol. 54, No. 10, P2589-2597, 2003.