骨折・捻挫の治療例 3
下腿骨骨折 ( 11歳 女児)
▼徒手整復で転位を戻して固定肢位も変更した時のX-P
11歳 女児の,スキーで転倒して左下腿(脛骨と腓骨)を骨折した症例です。
スキー場で応急手当を受けた後,都内大学病院にて入院管理されていました。負傷日から1週間と5日経過して来院したのですが,捻れが残っていたため徒手整復で転位を戻して固定肢位も変更した時のX-P です。
▼X-P による経過
X-P による経過です。上の写真は正面像で,下の写真は側面像です。3週間で 過重して歩行できるタイプの固定(PTBギプス)に変えて治療しました。この方法により5週間で固定無しで歩行できるようになりました。一般の整形外科治療ガイドラインでは考えられない治癒の速さなのです。
▼Bモード画像観察
受傷日から3週間と5日経過した時の Bモード超音波画像です。当院では,Bモード画像観察をすることで,X-Pでは判断が難しい骨折部の動揺性を客観的に判断して,治療方針を決定してゆきます。治癒の速度には個人差があります。患部の皮膚の状態を触診や視診で評価しながら行う骨折のオーダーメイド治療を行っています。本症例では,この段階で骨折部に硬性仮骨(固く石灰化した組織)が散在することから,PTBギプスで原則的に松葉杖無しの歩行を許可しました。
▼受傷日から13週間と5日経過したときの X-P
受傷 日から13週間と5日経過したときの X-Pです。日常生活における支障は何一つないところまでになっています。