Kojimachi Dr.Shiraishi Japanese Osteopathy -since 2009-

 

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(株) シュロスベストプラクティスジャパン

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最新の側弯症のシュロス式運動療法と装具をドイツから

脊柱側弯のお子様をお持ちのご両親様へ

側弯症と診断されたお子様をお持ちのご両親様、ご自身の側弯症でお悩みの患者さんへ

はじめまして
柔道整復師の石原知以子です。側弯症の治療について、私の実体験をまじえて、これまでしてきたこと、今取り組んでいることなどをお伝えします。とりとめのない文章で申し訳ありません。

私の娘も特発性側弯症で、中学から高校にかけての3年半、装具治療をしてきました。
その時の体験から、日本の側弯症の専門医とは手術の専門家であって、手術にならない、進行させない治療をしてくれる存在ではないということを知りました。装具を着用するにしてもしないにしても、数ヶ月おきのレントゲン撮影による経過観察をしているだけでは、病状の進行に手をこまねいているようなものではないか、と強く感じたのです。子供を手術に至らしめないため、あるいは装具治療にさせないために積極的にすべきことはないのでしょうか?折角、早期に小さい角度で発見された側弯症は放っておくしかないのでしょうか?

整形外科医で構成される日本側弯症学会が出している本には、側弯症の治療は 1.経過観察、2.装具、3.手術の3つだけであり、運動療法は側弯症の進行を抑制することはできない、姿勢も関係なく重い荷物を持つことも悪いわけでない、などと書かれています。つまり何をしても進行するものは進行するのである、ということのようです。(実際、私もJ医大やS会病院の側弯症の名医と言われる先生方からそう言われました。そして、進行したら手術すればいいんだよと。また初めて装具を目にして、ショックで泣いてしまった時には、側弯症で死ぬ人はいませんよとも言われました。)
しかし、YouTubeで手術の動画を見て私は絶句しました。そして、手術は最後の砦であるべきで、手術にならないように、進行させないようにできる限りのことをしようと決心したのです。

結論から申しますと、側弯症に有効な保存療法(手術をしない治療法)は装具だけではありません。側弯症に特化した運動療法や手技療法は効果があるのです。欧米のドクターらを中心とした側弯症ほ保存療法の学会、SOSORT(Society on Scoliosis Orthopaedic and Rehabilitation Treatment)では毎年多数の論文が報告されているのです。(sosortとは)

私は何とかして娘を良くしたい、同じ悩みを持つ方たちの役に立ちたいという思いで3年間学校に通い国家試験を受けて、49歳の春に柔道整復師の資格を取りました。その年、2010年の秋に、SRS(Scoliosis Research Society)の世界大会がたまたま京都で開催されましたので、どんなにいろんな情報が得られるだろうかと大きな期待をもって参加してみました。SRSは世界で一番大きなアメリカの整形外科医を中心とする側弯症の学会で、日本の医師も大勢メンバーとなっています。しかし、ここでは手術に関する発表ばかりで保存療法に関するものは、装具の装着時間のことなど、片手で数えられるほどしかありませんでした。私はとてもがっかりしました。写真

その後、調べていくうちに上記のSOSORTにたどり着きました。ここなら何か娘に役に立つことが見つかるのではないかと、2011年のBarcelona, 2012年のMilan, 2013年のChicagoと3年続けて参加して最新の情報を学んできました。日本の装具とは比べ物にならない進んだ装具があるのには驚きました。また各国に長い歴史を持つ運動療法があることも知りました。そして白石院長の指導のもとで娘が続けてきた運動療法が正しかったことも確信できました。

ちなみにSOSORTに日本から毎年参加していらっしゃるのは埼玉医大総合医療センターの丸山徹先生だけです。(やはり日本の整形外科のドクターたちは保存療法にはあまり興味がないように思われます。)ですから、日本の患者さんにはこういった情報がほとんど与えられていないのです。日本にも早期の運動療法の必要性を訴えているドクターもいらっしゃるのに、残念なことです。

3年間SOSORTに参加し運動療法の重要性をさらに強く感じてきました。ヨーロッパの運動療法の中でもドイツのSCHROTHとイタリアのSEASは是非習いたいと思っていましたところ、昨年の5月にイタリアのIsicoによるSEAS(Scientific exercise approach to scoliosis )の英語での講習がアメリカ、MILWAUKEEで行われたので、参加し、修了後に試験を受け、SEASのテラピストとして認定されました。アジア人で初めてだそうです。

早速、習得してきたActive Self Correction(できる限り生理的な状態に戻すために自分の意識で姿勢を直すこと)を娘に教えてみました。すると3ヶ月後のレントゲン(慶応病院)では1年前の37度から30度に改善していたのです。骨成長後でもこのような成果が出たのです。嬉しくて飛び上がりたいような気持ちでした。
それから自信を持って他の患者さんたちにも指導して成果を上げています。若い子供たちの側弯症は、骨がやわらかいので、悪くもなりやすいのですが良くなる可能性も大なのです。コブ角が40度をこして手術をすすめられていたお子さんたちが30度台に改善し、手術は必要なしとなったケースもいくつかあります。
折角よくできる時期をただ経過観察という名目で放置してしまうのは、なんと勿体無いことでしょう。私達は、Wait and see からTry and see に意識を変えなくてはなりません。
当院ではこれまでも白石院長の提案するセラバンドエクササイズを始めとする側弯症に特化した運動を指導してきました。またAKAを含む手技治療、NMESなどの物理療法、温熱療法などは筋肉の血流を改善し、筋緊張のバランスを整え、脊柱の動きを維持するのに効果的で、コブ角の改善や見た目の美しさの改善に役立っています。

これまでその効果が疑問視されてきた装具についても、IOWA大学のStuart L Weinstein,MDが中心となって行ってきた大規模な調査(BrAIST)の結果、確かに効果があるということが昨年発表されました。装具をつけてもつけなくても進行するものは進行するのですよ、という考え方は間違いです。矯正力のある正しい装具を正しい着用時間(13時間/日以上で90%以上に効果がある)で続けることが大切なのです。思春期の子供達にとって装具の着用は辛いものです。だからこそ、正しい着用で効果があるのだということを、上記のようなデータをきちんと説明してあげなくてはなりません。本人が納得できなければ長い治療を乗り切れるはずはありません。そして家族や友人、学校の先生方がそれをサポートしてあげられるような環境が重要だと言えましょう。
(例えば日本の夏は暑くて、装具の生活は本当に大変です。できる限り車での送迎をしてあげるとか、電気代を気にせず就寝中はエアコンをつけなさいと伝えることも必要でしょう。お友達の前で装具の着脱ができないお子さんには保健室の協力が不可欠です。苦しくて時には学校で少し外して休みたい時もあるでしょう。そんな時、背中をさすって下さるような養護の先生がいらしたらどんなに心強いでしょう。装具をしたままでも楽にすわれる椅子もあります。長期間の治療にはこういう支えも必要ではないでしょうか。私の娘は装具着用が決まった時に、もうお友達と前のように遊べないのかと泣きました。そんなことはないわよと私は話をしました。その頃のお友達のお母様方の協力には今も感謝しています。装具をつけてお泊まり会にも何度も行きました。学校にも毎日して行きましたし、夏合宿や修学旅行にもつけて行きました。娘は幸い女子校でしたが、共学のお子さんにはもっと大変なことでしょうからより一層の支えが必要だと思います。
お母様、お父様、お子さんの体を守ってあげられるのは親です。どうかその自覚を持って、今している治療が効果があるものなのか、これから何をすべきなのか、正しい情報をもとに的確な判断をなさってください。

今年も5月8日からのSOSORT2014 WIESBADENに行ってきます。今回はポスターでSEASの Active Self correctionの効果を発表してきます。

 

 

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